hamachansenseiのブログ

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Listen Unsaid と坊主の袈裟

ようこそhamachansenseiのblogへ。

本日のネタは、先日コーチングの練習セッションをやっていて、ふと思い浮かんだ諺(ことわざ)。
それは、

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

これについての一考察をお届けします。

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セッションでよく取り上げられる「苦手な人との関係性」というテーマ。

先日も久々にその手の話をしていたところ、案の定、「そんなことくらいでイライラするのはhamachansenseiの度量が狭いんじゃないか」的なフィードバックを頂きました。

「あー、やっぱり理解してもらえないな」

という残念感を感じるとともに、じゃあどういう風にコーチングして欲しかったか?

もしくは、自分がコーチなら、どういう風にセッションするか?

ということを考えてみました。

ちなみにこのことわざの本来の意味は「その人を憎むあまり、その人に関係のあるものすべてが憎くなるというたとえ」なのですが、今回は「坊主」を嫌悪感を感じた「決定的な出来事」、「袈裟」はそれ以外の枝葉末端の出来事と置き換えてみます。

まず結論から言うと、「そんなことで?」という事柄をぶちぶち言っているクライアントさんは、大概「袈裟」の部分の話をしている、と私は思います。

人との関係性がこじれるのは、いくつかの大小の「え?」と思う出来事が積み重なった末だと思いますが、大体話すときは一番最近起きた、記憶に新しいことから話し始めることが多いと思うんです。

それはすなわち、相手に対して何もかも嫌になった末の状態で起きた些細な出来事=「袈裟」部分を話している。

発端となった決定的で重要な出来事(=坊主部分)はすでに過去のことで、「嫌だった」という気持ちだけが残っていて、詳細は即座には言語化されない。

そこで、コーチがその「袈裟」部分の話にぱっと食いついて、あーだこーだ話をしても、根本的な解決にはならないし、何ならクライアントを「そんな些細なことを問題視する、度量の狭い人間」くらいにジャッジしている印象さえ与えてしまいます。

ここで大事なことは、安海コーチのモジュールで言うと

「Listen Unsaid」

これは谷口コーチから学んだこととしても、2019年のblogに書いたこともありました。

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すなわち、「本人が話している事」だけを扱うのは初心者。

本人が言わんとすること、話していないこと本人も気付いてないことについて質問で掘り下げたり、フィードバックするのが上級者。


だとしたら、くだんのセッションでどういう声掛けをするだろうか?と考えてみると、

「あなたはそういう細かいことを気にする人とは思えない、あなたらしくないと思うのだけれど、今のような状態になったそもそものキッカケは何だったのか?」

「それはあなたにとってどのくらい重要なことだったのか?」

「それによってあなたのどんなセルフイメージが傷ついたのか?」

「あなたが大事にしていること、譲れない事は何なのか?」

「本当はどうありたいのか?理想の姿は?」



今思いつく限りではこの辺りでしょうか?

この質問なら、どんなに相手の素行が悪いかをあげつらう「愚痴大会」にはならず、クライアント自身について掘り下げることが出来るような気がします。

特に冒頭の「あなたはそんなに了見が狭い人ではない」的な承認が入ると、自我®的にはかなり気分アゲアゲ (^^) になるので、凹んでいるクライアントを勇気づけられるし、本当に了見が狭い人であっても、ピグマリオン効果 *1で度量の大きい人間になろうとするかもしれません。

 

とどめは
「このことから学んだことは?」

「この出来事は自分にとってどういう意味があると思うか?」

「相手が変わらないとしたら、自分に何が出来るか?」

「次に生かすとしたらどうしたら?」

みたいな質問でしょうか。

 


後はコーチがどれだけ早く、今話されていることが「袈裟」なのか「坊主」なのかに気づくことでしょうか?

この辺は上質なフィードバックを貰いながらのトレーニングなんでしょうね。

2019年の記事はこちらから ↓↓↓
hamachansensei.hatenablog.com

 

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【あとがき】


今回なんで「坊主と袈裟」の諺を引き合いに出したかというと、ずっと昔に芸能人の離婚問題について、コメンテーターが言っていたとても印象深いコメントを思い出したからでした。

詳細は忘れましたが、例えば離婚の理由について、パートナーの「食べ方が嫌」とか「箸の持ち方が変」だったからと答える夫婦がいたとすると、” それ自体は根本的な離婚の理由じゃない ” 、”  そんなことすら嫌だと感じるほど相手のことが嫌いになっただけ ” 的な話。

だからこういう事例をコーチングするときに、「食べ方」や「箸の持ち方」を延々こね繰り回して、「そんなことを気にするな」とか、「そっと注意すればいいじゃないか」というアドバイスをしても全く意味がないということ。

それ以前に起きたことに対する、そもそもの価値観とか、大事にしている部分のすれ違いとか、物事の捉え方の癖などについて、扱わないといけないってことですね。

一応hamachansenseiの名誉のために言っておくと、いつもいつもぶつぶつ言ってるわけじゃないですよ。同じことをされても、許せる人と許せない人がいるだけです!
って、あれ?ちっとも名誉挽回になってない (^^;)


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*1:教師が,児童・生徒の学業成績の達成についてある期待を抱き,その期待が実現するように行動することによって,実際に子どもの学業成績に向上が見られる現象をいう。